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HOME > お役立ちニュースレター > 【Vol.2】オーナー負担額に関わる!?『必要費』と『有益費』について

お役立ちニュースレター

当社では賃貸経営ニュースレターと題して、定期的に当社に物件をお任せいただいているオーナー様へ、賃貸経営を行っていくうえでの困りごとや業界の最新情報、相続税などオーナー様に関わりのある内容を解説する冊子をお送りしております。ここでは過去のニュースレターの内容をご紹介します。

 入居者の入れ替え時にオーナーさんの頭を悩ませる問題のひとつが、居住中に入居者が独自に行った造作や修繕の費用請求に関することです。
 大きなトラブルに発展することはまれですが、入居者と協議することになった場合、金銭負担のカギとなるのが、契約書に記載された約款や特約事項などの内容です。基本的に賃貸借契約書の約款は、出来る限りオーナーさんにとって不利にならないように管理会社が定めています。ですが、その内容を読み込んでいくと、普段に目にすることも、耳にすることもめったにない専門用語が多く出てきます。数ある専門用語のうち、今回は以下の3つについて解説します。

CASE.1 入居者Aさんの場合

ベランダの手すりが壊れたため、オーナーに連絡をしたが、危険を感じたため当日中に自分で修理をした。

賃借人は、賃貸人の負担に属する必要費を支出したときは、賃貸人に対し直ちにその返還を請求できる(民法608条第1項)

必要費とは、建物の保存・管理・維持・使用収益に必要とされる費用のことで、建物の主要な構造部分であるベランダの修繕も必要費となります。判例では、大修繕に対して特約は無効となり、賃借人負担になりません。この場合、オーナーは速やかにAさんに対し費用を支払う必要があります。

CASE.2 入居者Bさんの場合

トイレの便座を普通のものから、温水洗浄機能付き暖房便座を購入、付け替えた。

賃借人が有益費を支出したときは、賃貸人は賃貸借終了時に償還をしなければならない(民法608条第2項)

有益費とは、建物の価値を客観的に高めるために支払った費用のことで、今回のように洗浄便座に付け替えることも、建物の価値を高める有益費の扱いとなります。ただし、判例では有益費償還請求権を放棄する特約も有効とされているので、同様の特約を結んでいれば、オーナーは支払いを免れることができます。特約のない場合、オーナーは賃貸借終了時にBさんに対し、償還しなければなりません。

CASE.3 入居者Cさんの場合

もともと物件に付いていたエアコンが旧型で、効きが悪かったため、最新式のエアコンを購入、取り付けた。

賃貸人の同意を得て建物に付加した造作がある場合には、賃貸人に対して賃貸借終了時に時価で買い取るべきと請求ができる(借地借家法33条)

造作買取請求権は、有益費に似た考えですが、有益費が、建物と一体化し、独立した所有物にならないものを指すのに対し、造作とは畳・建具・空調設備など、オーナーの所有物とされるものを指します。ただし、造作買取請求権は強行規定ではなく任意規定であるため、放棄する特約を結んでいればオーナーは支払いを免れることが可能です。

「利回り」とは、投資額に対し、何割の利益が出るかの目安です。もちろん利回りは高い方が利益が上がりやすいということですが、利回りがいくら高くても、空室が多ければ実際の利益は得られません。逆に、利回りが低くても空室が少なければ実際の利益は上がります。

表面利回り

(年間家賃収入÷物件価格)×100

収益物件の広告などに掲載されている利回りは大抵がこの方式です。物件を運用する実際の利回りはこの数字より低くなります。物件が満室状態と想定して算出した利回りのことを「想定利回り」といいます。

実質利回り

家賃収入から固定資産税、火災保険料、賃貸管理費、建物管理費、修繕積立金、不動産会社へ支払う諸費用を引いて算出する方式です。実際の物件運用に近い数字が得られます。物件の計画が具体化してくると、この数字が重要な検討材料になります。